個展に際してセルフインタビューを作ってみました。文章は素人なのでご容赦ください。

PDFは↑こちらからダウンロード下さい。
小林広恵
2023年はお休みを頂いておりましたが5月より再始動いたします。
植物や風景の感触・音・気温・時間など読み取り、フィクションの風景を混ぜ、画面・構図のリズム・強弱を大切にすることが割と自分の作品を構成していると思います。
新しい作品をお楽しみ頂けたら。
if 畏怖
Hiroe Kobayashi solo exhibition 2024
2024.5.11sat~5.26sun
13:00~18:00(最終日は17:00)
GALLERY APA 名古屋市瑞穂区汐路町/地下鉄桜通線 桜山下車徒歩8分/無料駐車場10台
足をお運びいただいた方、気にかけてくださった方、ありがとうございました。
(写真)「魂に触れる前に」2021 油彩・木材
さて、個展タイトル「魂に触れる」とは?というご質問を多く受けまして、長文になりますがご説明したいと思います。あくまで作品やタイトルはどのように受け止めていただいても良いかとおもいますので、自分の感じている事はこんなことでしたよ〜。というものです。必ずしもこうでなきゃいけない、みたいなものではありません。
「魂に触れる」とは、人の一言でパッと明るく軽い気持ちになったり、人の一言に傷ついて落ち込んだりします。そういった一言をかけられた時、魂に触れられた、またはそういった一言をかけた時その人の表情をみて魂に触れたのだと思います。
また、植物を育てていると水やりをするのですが、あげすぎても根腐れして枯れたりあげなさすぎてしおれたり季節によってもあげる頻度や時間を変えたりします。ずっと気にかけてあげることで適切なタイミングで必要な分だけあげる事ができます。
これは人も同じで、ちゃんと顔をみていなければ正論を言いすぎたり、甘やかしすぎたりします。またずっと気にかけていれば必要なときにその人を手助けすることができます。
そんな水やりのような愛情のことを制作中は考えていました。
作品「魂に触れる前に」は鏡を取り付け、人が映り込むようにしました。私は植物を描いていて何が一番面白いかというと、植物の生え方です。多種多様の植物が同じ場所に同時期に生えていて、葉のつき方、交互に葉が生えていたりギザギザだったり葉の表面に密に毛が生えていたり、まっすぐだったりツルだったり、複雑に絡み合って生息しています。それはまた人間や人間関係、また縁のようなものとリンクして考えていました。この絡み合い美しさをなしている植物の存在と時間とリンクする映り込む人の存在を表現したかったのだと思います。魂に触れる前に立ち止まって愛情の事を思い出したい。そんな感じです。
上の写真は「春にいる」(油彩・円形キャンバス・2022)というシリーズです。これは街路樹に雪柳とボケと黄色い花の枝が複雑に絡み合っていて、ピンクと白と黄色の花が一緒に咲いていて春らしくて、でも共存がなんとも面白いものでした。雪柳の小さな葉と、ボケの大きめのツヤっとした葉、そして花だけの枝。そのあり方が、私はとても興味深いのです。
Watering to you (油彩・エンジュ・2021)こちらはそのまま「君に水やり」というタイトルです。豊田市の花遊亭さんのお庭を描いたものです。野ばらやまさに多種多様の花たちをスタッフさんがお手入れを欠かさず作り上げています。お庭自体が作品なのでそれを描くのもどうかと思ったのですが、「お庭を部屋に連れて行く」という絵画の役割や、持ち運べる財産にするのが絵画という持論をもって作品にさせていただきました。手入れを欠かさない、って仕事かもしれませんがすごい愛情だとも思うのです。
こちらは「誰にも知られる前の魂」(油彩・エンジュ・2021)です。とても横長なエンジュの小口に描いています。
私はこれまで沢山の人に出会ってきたからこそ作品が変化し広がっていったと思っています。一人で絵だけを描いて美術の世界にいたら、Fサイズのキャンバスに描いて公募展に応募して終わり、変形のカタチに描くということはしなかったと思います。音楽の人に出会ってリズムの事を深めたり写真やダンサーの人に出会っては遊びながら表現を楽しむ事を知り、陶器の人とガス窯を借りたり、、そうやって作品の幅も広がって行きました。自分の心がワクワクするところ、を大事に色んなものに描くようになりました。
しかしそうやって人と出会う前も決して世界が狭かった訳でもありません。若さもあり精神的に幼かったけれどそれも自分です。両方あって自分なのですが、コロナ禍になり一人の時間が増えたことでふと思い出し、出会った人に感謝しつつ、その頃の魂について考えていたのです。
雨の雫、濡れた植物を描いていて、どこかリズミカルで雨も良いとおもう1日。切なくて暖かくて懐かしい。誰にも知られる前の魂はそんな感じです。
「離れ離れにならないで」(油彩・エンジュ・2022)
こちらもタイトルの意味を聞かれます。タイトルはほぼ後付けで考えるのが難しいのですが、、これもコロナ禍でほぼ人と会えないことと植物をリンクさせてタイトルをつけています。日本画の仏画や天井画でみられるような木材に絵の部分のみ白をいれてから描いています。描いているのは八重の豪華な品種のチューリップです。花が重たくて垂れているのがすこし寂しそうにみえたのです。とてもとても豪華なのに。コロナで会えなくても心まで離れ離れにならず、気にかけるって大事ですよね。多くの人に個展に来ていただくと一年に一度会うだけでも繋がりは途絶えず、これなくても気にかけてくれてもらうと、いい絵を描こうと思えます。
短いスパンで展示したりなかなか時間がない中で、でも時間がないののも言い訳にしたくなくて意地になってクオリティをあげたり。
これを書いているのは29日ですが、搬出が終わったら、すこしお休みして力をためて、またお目にかかれたら。
また、WSはコロナのオミクロン株の流行によりギャラリーオーナーのお子さんの学級閉鎖などにともない中止となったこと、楽しみにされていた方には誠に申し訳有りませんでした。この場で謝罪いたします。
個展のお知らせ
2022年1月8日土曜日〜2022年1月30日日曜日
11:00〜18:00(最終日は17:00まで)定休日:月曜日
GALLERY APA Main Room
小林広恵個展「魂に触れる前に」
2022年のトップバッターを努めさせていただきます。FainRoomは寄川桂さんです。
2020年から小口に描いたり電動ノコギリで切り抜いたシリーズを出してきました。そちらをメインにしつつもキャンバスにも描いていこうと思っております。また、開催中には「額縁に納めたようなアクセサリー」のWSも予定しています。私のキャンバスの好きなところを切り抜いていただきパーツを選んでアクセサリーにしていただけます。日程や人数など詳細はまた後日お知らせいたします。1週と最終週を覗いた土曜か日曜の予定で、コロナも予測がつきませんので少人数を予定しております。
ご注意:お問い合わせやお申し込みはこちらでは受け付けませんのでGALLERY APAさんへお問い合わせくださいますようお願いいたします。個人的にこっそりはOKです。ご理解お願いいたします。
WSのお知らせです。
魔法使い見習いの「ミニツリー」
2021年12月12日日曜日
10:00~11:30
13:30~15:00各定員12名 対象年齢4歳〜9歳
ダンボールを組み合わせて卓上ミニツリーを作りましょう。
窓からサンタさんやトナカイさんすきなひとたちが顔を出している絵を描くとかわいいかも!
昨今の情勢によりイベントが変更・中止になる可能性があります。その時はSNSなどでお知らせいたします。
DMのダウンロードはこちらから↓PDFです。
いつも仲良くさせていただいている、ダンサー・造形作家の鈴村由紀さんと、同じアパの作家の山田明広さんとの3人展を開催いたします。私は瀬戸の五山さんの陶器に絵付けした作品や自分で作陶した陶器と、油絵を展示いたします。また、瀬戸の木を用いた作品も小さなものを若干ですが展示いたします。瀬戸づくし!
鈴村さんと山田さんは、瀬戸で開催された「アートワークホウボウ」に出展されていました。その縁もあり、古民家久米邸さんでの開催です。アートワークホウボウを主催されていた阿部未来さんと一緒にガス窯をお借りして焼いた陶器たちもお目見えです。三人で阿部さんのところにお邪魔したり、瀬戸の商店街のワタリ工房さんにお邪魔したりするはずが、ハプニングがあり(なんと会社の隣の席の子がコロナ陽性になり、わたしは濃厚接触者。陰性でしたが二週間の隔離期間となってしまいました)二人にお願いすることに。泣)
この展示は小林広恵オーガナイズという、大々的にはうたっていませんが少し二人の展示に口を挟む感じで進めています。二人は展示に忙しく、私は普段の仕事で忙しいのでお互いに無理なくほどほどの範囲ですが、キャプションや文章書いたり、DMデザインしたり苦手な二人に代わってサポートしております。そんなところも踏まえて見てくださると面白いかもしれません。
私はこの展示の後はGALLERY APAさんでの個展(1月8日から30日)も控えております。しばらくは仕事と家事と制作に集中する日々かしら。
空をすべる色 ご報告。
展示・パフォーマンスHPも鈴村さんが作ってきて、気合が入ってました。
緊急事態宣言が再び出され、大々的に宣伝する事はできませんでしたが、それでもオープニングには13~15名ほどのお客様が来てくださいました。展示空間はひろいので、距離も保てました。https://kuuwosuberuiro.weebly.com/
こちらが2月6日(私の誕生日でした)に開催されたオープニングイベントの様子です。光量が足りずくらいですが、エフェクターも2台にしピックアップマイクも新調して音質はぐっとアップ。
書きたい事がいっぱい。。編集しまくると思います。
赤い作品の隣には一番最初のコラボ作品の展示とパフォーマンス動画も展示しました。
私は始めて演出という立場でやらせていただきました。絵の具のチョイス、飛ばすな、埋めるな。あれやこれや。コラボさせていただいた事で、見えてきた事、気づきがたくさんありました。次の展開への可能性の扉がたくさん開いた事、感謝しています。兎にも角にも無事終了!モウマンタイ!
小林広恵個展「風をかさねて」
2021年5月5日(水祝)〜5月10日(月)
豊田ガーデン 花遊庭内ここはな
コンセプト
風が幾つものレイヤーに重層的にかさねて
世界は一つの音楽をつくる。
植物のざわめき、ゆれるおと、雨粒のおと。
いま私たちは春にいる。
私の描く絵はなにげない風景や庭を、咲き誇る春を風をかさねた音を部屋に連れていく。
世の中がどんな情勢でも、春は来て花たちは何事もなかったように咲く。
そんな風の音楽と植物の絵画を楽しんで頂けたら
幸いです。
🌹期間が短いですが、とてもとても素敵なお庭の薔薇のシーズンと共にお楽しみ頂けます(お庭は有料です)。
◎カフェスペースとなっております。ここはなさんで購入したドリンクやスイーツはお庭でもご飲食できます。
また、花遊庭内のレストラン(ここはなさんとは別)はランチが頂けますが、土日と祝日は結婚式が入っているため平日のみとなります。
◎個人的には豊田ガーデンさんで植物が色々購入出来るのが嬉しいです〜お花の苗が多めな印象です!
個展を終えて
今年二回目の個展を終えて、何よりもまず花遊亭さんのお庭の美しさに触れなければなりません。
花たちが季節の移ろいとともに一番咲き誇るようにデザインし、土を整え植え替え丹念に手入れがされています。植物に囲まれ結婚式をあげて笑顔を見せるウエディングドレス姿の花嫁。
花遊亭さんを訪れる人たちはこの庭の美しさへの感動と、庭の工夫の凝らされた道を歩くだけで素晴らしい思い出を持たれます。その気分のお土産のように家に持ち帰ることのできる小さな庭である自分の作品があること。そんな存在でいられることが幸せだと感じています。今回多くの作品が新たにご縁をえて旅立ちましたが、本当にお庭のチカラでした。感謝申し上げます。
また「半分が土」という木の小口に描いた作品は花遊亭の社長様が気に入ってくださり手元に置いていただけることになりました。植物は本当に土が大事。肥やしが大事。美しく咲き誇り、たくましく木々が枝葉を伸ばすのは本当に大地のもつ滋養やエネルギーそして地球の気候だと思います。実はこの作品を描いた頃、多くの熱帯雨林が人の手によって燃やされていました。焼畑を推し進める人、山火事。これで土は肥えても燃やされた植物、奪われた生態系、動植物、昆虫のすみか、等々失われたものの大きさを考えるとゾッとしています。
私はいろんな形の植物が同じ土から生えるのがなぜかとってもとっても不思議に感じて面白がってみています。何万種のカタチが共存していて、相互関係があって、私の近所では冬眠っていた植物がいっせいに花を咲かせます。それはそれは人の心をアゲアゲにあげるパワーです。このコロナ禍でカフェに行く代わりにお花屋さんで花を買っていました。食べ物も気分をあげるものも衣服も、衣食住すべてに植物は関わってきます。ずっとみているから、代弁者なんてことは言いませんが植物と気持ちがリンクすることもあるかもしれません。植物の強さ美しさと多様性と畏怖、少しの憤りが作品をつくっているのだと思います。
もう、ここにはない土地に駆ける馬に想いを馳せる。
植物たちはまた永遠普遍。
もう無い土地の植物もまた今も手に取れる。_
そんな世界を描けたらと思います。
この一番小さなサイズは4点とも旅立ちました。
昨年の個展に試作を出していました木の年輪の部分(小口)に描いている。シリーズ。今年は新たに電動糸鋸で形を切り出しているものもあります。
不思議と、正方形や長方形でないほうがイメージがたくさん湧いてくれます。
馬の形に切り出したら、この馬にはこの風景、というように浮かんでくるイメージは新しい出会いでした。
冬のころから、小口を用意したりヤスリをかけたり下地を塗ったり、制作を初めていましたがなかなか筆をとることができませんでした。そのうち春になり葉や花が咲き始めてやっと筆から花が咲くように描き始めることができたのです。