小林広恵 個展
「うぶすな 土地を渡るもの」
4月1日土曜日〜4月16日日曜日
11:00~19:00(最終日は17:00まで) 定休日:月曜日・祝日の場合は順延
GALLERY APA Main Room
名古屋市瑞穂区汐路町1-14 2階
4月1日土曜日16:00よりささやかなオープニングパーティーを開催いたします。
個展のお知らせです。今年もアパさんで個展の運びとなりました。
タイトルの「うぶすな」は産土、産土神、などと書きその土地の神様で氏子とはまた別のものです。
その土地の植物、その土地の水、作物、空、空気、匂い、、、その土地でしか感じられない美しさと、
足のシリーズで描いてきた生き物、旅をする馬シリーズで描いてきた馬、さいきん惹かれている鳥たちと、土地を渡っていくものを対比させてタイトルをつけました。
植物はいろんな種や亜種が入り混じり共存し多種多様にからまりながら生えているさま、
互生、双生などの葉っぱの生え方、
強い風に吹かれ続けて曲がった樹、
トンビは高く舞い上がり旋回し、海鴨は隊列を組み同じ呼吸で飛び風にあおられ、カモメは休む。
私は漂う空気みたいになって、それらを楽しむように描きました。
制作中!
以前はたくさん読んだ小説たちの物語が混ぜられていたのですが、自然のままの物語に変容して行っているかと思います。ただある生き方の物語みたいな。
一昨年の暮れに筆が止まり、もう心に従うしかなくて昨年は自分の絵を壊しまくりました。壊すって表現が強いですが、表現への問いをし、ひとつひとつ心をあたっていくような、クロスワードパズルを解いていくような楽しさがありました。
いつもは写真を撮ってきていくつか資料にしてイメージを固めてから描くのですが、
滞在制作やライブペイントで短い時間でものをとらえたり、
抽象的にまで分解したり、
マレットに絵の具をつけて叩き描き、そこからみえてくる風景をとらえたり。
旅をする馬のシリーズもでてきました。描きかたが3通りくらいになって、作風もバラバラにみえたと思います。それは今では必要な破壊だったと感じています。
やがて自分の問いに対する反応や、自分自身への答えみたいなものがうっすら見え初めてきました。そして今回の個展はすこしまとまっていればいいなと。
いつもじぶんは何を描きたかったのか、後から振り返って、そうか。そういうことか。
と、思うことばかり。
絵はフィクションの物語を作れるのに、嘘をつけなくて、絵から教えてもらっては自分に優しく納得しています。
そんな自問自答の作品ですが、植物や風景へ美しさへの想いはたっぷり込めておりますので、お楽しみいただけたらと思います。
お時間ご都合つきましたらご高覧ください。