個展「苔の時間」に足をお運びいただき、誠にありがとうございました。
一月にわたる期間に本当に多くの方々にご来場いただき感謝しています。
苔の時間というのは、会場に置いてあった苔の2年間分の伸びた長さ、自然の荒波のなかでもまれた剥がれ落ちた苔のわずかなとき、2年間に私が出会った人々との時間を込めた、そんな想いの時間です。
これからも人の出会い、大切な瞬間との出会いを大切に胸に抱えて過ごして生きたいと思っております。
今回の作品は、岐阜県山県市を舞台にした作品がほとんどでした。昨年夏に訪れて以来毎月のように友人たちとかけがえのない時間を過ごし、至らない未熟な自分への感情や人生の鬱屈など洗い流したようなすがすがしい時間でした。
それとともに作品の変化もありました。いろんな方と出会って自分が変わりたいと願って、変わらないはずがないと思います。昔から知ってくださっている方、新しく出会い私の作品が初めましての方から反応様々に頂戴いたしました。
そして、滞在制作の面白さに気づき、これから一つの夢として国内外各地でこのようなアーティストインレジデンスに参加していけたらという想いが生まれました。
それについても厳しいお言葉を頂戴したり、作家を取り巻く環境についての反省多々ある辛いお言葉も拝聴いたしました。いただいた言葉を素直に受け止めこれからも精進してまいります。
上の写真は山県里帰りの山口晋一さんに撮っていただきました。
石を会場に置くと、きちんと場になります。
躊躇なくお面をかぶってくださった皆様。ありがとうございます!!
嬉しいことに思った以上に作品が旅立っていきました。
自分の描いた絵が売れるって不思議です。自分でもよく作家さんの作品を購入いたしますが、その時選んだ楽しい感情まで想いだせこの世にこの出会いはなかなかない、という嬉しさを感じます。
そんな想いを、私の描いたもので抱いてくださるなら、本当にすごいことだと!!!
作品には神崎川の剥がれ落ちた苔や、川底の砂を使っております。
油絵には1940年代ごろからマチエールに砂、ガラス、アスファルトなど使う技法が使われているようです。受験生時代からサンドマチエールを使ってきた自分にはとても当たり前のことなのですが、非常に珍しがられました。とれちゃわないの?変色しないの?などなど。油絵の具を使用しているので、ゆーっくりゆーっくりこってりした味わいには変化していきますよ。
メディウムも絵画ように作られたものですから、そうそう大丈夫かと思います。
作品についていただいた一番嬉しかった言葉は、作品から音が聞こえる。と仰っていただいたこと。ご来場くださった方はおわかりかと思いますが、タイトルにも音が多く使われています。これは制作場所である山県市北山地区に流れる神崎川と円原川の川の音です。ずーっとずーっと聞こえてきて初めてここで宿泊した時は、ここで生まれ育った方は川の音だけで故郷かわかるのではないかと夢想しました。
それほどずっと聞こえておりますが、北山小学校から円原の上流にある五位神社まで歩いた時、伏流水まで来ますとぴたりと音が吸い込まれ消えていきます。そのかわりキツツキやサルの鳴き声がはっきり聞こえてきたり。
反対に神崎川の上流にいきますと、ゴロゴロの滝があります。ここへ岩に座って眺めていますと重低音の滝が深く潜る音が混じって聞こえてくるのです。
清かな風の音も伝わったら、朝の潤ったつめたい温度も伝わればいいな、と、これからも作品作りしていきますので応援どうぞ宜しくお願いいたします。
次の展示や活動のご案内
6月19日日曜日クリエーターズマーケット ブースA-7 いしつむ
6月26日日曜日0contact雨天決行! 鶴舞KDハポン ライブペイントのイベント主催しております!
7月6日水曜日〜7月11日月曜日 ギャルリーくさ笛「Bounding Stones展」名古屋栄
8月7日日曜日 とだがわこどもランドにてWS「魔法使い見習いの筆づくり」
8月12日金曜日 鶴舞KDハポン expression PowWow アートワーク出演
10月4頃 覚王山 tane 「Mis Mush Soup 展」詳細後日